御祓川大学が拠点を置く七尾市で、新しい地域おこし協力隊が募集されていました。

<募集要項> 市役所のHPへ

高階(たかしな)地区は、七尾市の最も南に位置するエリア。御祓川大学としては、同じ市内で活動しているにも関わらず、連携する機会はこれまでほぼありませんでした。

高階では今、どんな方々が地域活動を引っ張っているんだろう?
協力隊はどんな3年間を過ごすことになるんだろう?

そんな疑問を解決するため、高階(たかしな)を訪問してきました。

七尾市街地から車でわずか15分。

迎え入れてくださったのは、肌ツヤが素晴らしく御年74歳には見えない山本さん。

今回の協力隊の受け入れを行なう「たかしな地区活性化協議会」の中心人物です。

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山本 進さん
たかしな地区活性化協議会の中心メンバーで、活動拠点となる高階公民館の館長さん。現在は七尾市公民館連絡協議会の会長を務めており、七尾市の他地区とのネットワークも深い、高階のキーパーソン。



高階には「農業」しかない。でも今、その農業が危機的状況にある。



高階では、地区全体で133haの農地を抱えています。

「そのうち何%が耕作放棄地ですか?」
こういった話題になると、当たり前のようにその質問が思い浮かびます。僕も同様に、山本さんに尋ねてみました。返ってきたのは、少し予想外の答えでした。

133haのうち、75haは整備済みの農地です。残り58haは現在は遊休農地ですが、そのうち25haほどは今年から農地として使われます。残りの30haほども数年のうちに活用していく計画となっています。つまり、ほぼすべての土地が農地として使うことができる状態になっています。(国の農業系事業を活用できているおかげでもありますが、それも、15年以上住民主体の地域づくり活動が行われてきた成果でした)

でも、それなのに危機的状況って?どういうことでしょうか。

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農地だけあっても、労働力がなければ意味ないんや。



山本さんが、高階の向き合わなければいけない辛い現実を教えてくださいました。

高階地区には9つの町があります。そのうち、般若野町(はんにゃのまち)では既に高齢化率が"50%"を超えています。地区全体で見ても、平均40%以上という状態。

山本さんは、3年後、5年後の高階のことを考えて先ほどの発言をされていたのです。5年後の高階では、133haの農地はきれいに整備されても、その農地を活用して生業を持てる「人」が居なくなってしまうのです。

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「よそもの」の力を借りたい。



少しづつ、でも確実に人が減っていくこの地域を存続していくためには、この133haの土地をより有効活用にできる仕組みを整えるしかありませんでした。そんな折、七尾市から地域おこし協力隊を導入する話が舞い込んで来ました。

先入観や古しい考え方がある、地元の人間ではダメかもしれない

そして、地域おこし協力隊の力を借りて歩むことを決意します。

と、このように書くととても順調に話が進んだように見えますが、その裏では、住民同士で何度も話し合いの場が持たれていたそうです。話し合い、話し合い、募集までたどり着きました。

(住民)他所のもんに自分らの田んぼを作らせるんか?

(山本)じゃあ、あんたの息子はなんでやらんのか?

そんなやり取りがあったことも正直に教えてくださいました。

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(写真右)荒川 一義さん。高階地区出身の七尾市議会議員。山本さんと同じ想いを持ちながら、議員という立場・見識を活かしたアプローチを行っている。この日は若者が高階へ訪ねて来ている、という情報を聞いて、お忙しい中駆けつけてくださいました。



集落営農の仕組みをつくる。



地域おこし協力隊の目標は、高階に合った農業の新しい「仕組み」を作ることです。

付加価値を上げること、コストを削減すること、そして少しでも多くの住民が連携して地域に関わる機会を作ることが大きな狙い。例えば、新商品を開発すること、トラクター等の農業機器をシェアして使用すること、住民が集まれる農業拠点を整備すること、などが考えられます。

また、高階には「菜の花」という地域資源があります。
地域農業の仕組みを整え、既存の稲作+菜の花を活かしたブランディング・商品開発を行っていきます。

菜の花の収穫量は、133haのうちのわずか7ha分だけです。実はまだ、"たくさん収穫できる"という意味の資源にはなっていません。しかしながら、「菜の花プロジェクト」というキーワードを軸に地域が10年近く協働してきた歴史があります。それこそがここの地域資源の1つであり、だからこそ菜の花は、今後の高階を支えるキーワードになりうるのです。

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公民館は黒子に徹する立場やと思う。協力隊をうまくサポートしていきたい。


まだまだ地域のすべての人が協力隊を理解しているわけでも、協力隊を歓迎しているわけでもありません。

山本さんや荒川さんを軸に確実に前に進んでいます。わずかな取材だけではありましたが、住民間のコミュニケーション量が多いことが伝わってきた3時間でした。

初めて訪れた高階は、どこか挑戦してみたくさせる、そんな前向きな雰囲気を持つ町でした。

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<募集要項はこちら>

石川県七尾市高階地区・地域おこし協力隊

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