2019年2月15日

『3シェフトークセッション「食を禁じ、食を語る」』が開催されました。

 

「料理抜きで、ぜひ、僕たちの考えを地元の人たちに伝えたい!」という3人のシェフの想いからこのイベントは開催されました。そんな彼らの想いが届き、定員30名を上回るたくさんの地元の方々がトークを聞きに足を運んでくださりました。

今回はトーク形式でその様子をレポートしたいと思います!



登壇者は、

和倉温泉のと楽「割烹宵侍」で料理長として活躍されている川嶋享さん

地元で愛される「レストランブロッサム」のスーシェフを務める黒川恭平さん

東京のレストランからの独立開業と共に、七尾に移住して、「Villa della Pace」を開業した平田明珠さんの3人です。

そして、七尾ローカルベンチャーアテンダントの友田景さんがファシリテーターとして話を聞き出してくれました。

 

3人は、それぞれ「RED U-35」で勝ち残りましたが、お互いに切磋琢磨し合う関係。普段から夜中の3時とか5時まで食について喋り明かしているとおっしゃっていました。

 

                 

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RED U-35とは?

次世代を担う新しい価値観の食のクリエイターたちが「おいしい」の先にある価値を考え、料理界から世界を変えるコンテストです。

 

↓RED U35について

https://www.redu35.jp/redu35/



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  どんな想いでお店をやっているの?

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川嶋さん:

七尾市和倉で生まれ育ち、父親が料理人だったことから、気づいたら同じ道にいました。小さい頃からずっと野球をやっていて、何がしたいのか分からなかったけど、「人を喜ばす仕事」がしたいという想いはありました。

 

黒川さん:

生まれたときから両親が店をやっており、物心ついたときから、自分は将来コックになると決めていました。今は、うまく店が回ってきて、料理で地元に貢献できることはないかと考え始めました。

 

平田さん:

ずっと東京で育ち、一言で言うなら、失敗と挫折の人生でした。でも、自分の人生を振り返ったときに、一番結果が出たのが料理でした。今のイタリア料理の仕事もはじめはなかなかうまくいかなかったです。イタリア料理は、料理を作るだけじゃなくて、地域の文化がリンクしていて、そこが好きなところです。





お三方とも料理人になったきっかけや、どのような道を歩んできたかはそれぞれ違いますが、料理に対する想いは、十分伝わってくるものがありました。



【平田さんは、RED以外にパスタのコンテストで、世界にも出ました。そこで感じたこととはどういったものだったのでしょうか?】

平田さん:

世界に行ってみて、具体的に見えたことは、優勝した人と自分との差でした。世界に発信するためには、先を見据えた料理、良い食材を使えば人は納得するだろうなと思っていたけど、全然そうじゃなくて、魅せ方、伝え方、それを食べる人の味覚に合わせるということも大事なんだと感じました。





ここで友田さんから

「3人の中でそれぞれ料理が一番うまいと思う人は?」という唐突の質問が!

 

結果は・・・

 

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川嶋さん→平田さん「考えてみなさいよ。だってそうでしょ、世界ですよ(笑)」

平田さん→黒川さん「洋食屋さんだから、一番何の料理でも強いです。」

黒川さん→川嶋さん「シンプルっていうのが一番難しいと思うんですけど、それをやっている          のは川嶋さんだからです。」

 

見事なバランス感に川嶋さんから、「打ち合わせしてないですよ。」の一言。会場に笑いを誘いました。



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          食を通じて何がやりたいの?

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平田さん:

能登だけが食材の宝庫ではなく、それをどう料理で注目されるように表現するかということが大事になってくると思います。



黒川さん:

自分自身が自分の店に来てくれる地元のお客さんに育てられた身だからこそこの能登の地を盛り上げたいです。



川嶋さん:

どう盛り上げるかですよね。

ここでなんで僕が七尾にUターンしてきたのかという話をしますと、能登里山里海が世界農業遺産の認定を受けた2011年、大阪にいて、これから能登は良くなっていくんだろうなと思っていたんです。ちょうどそのときに、大阪のコンテストで優勝しグランプリを取り、お店を出そうかなと思っていたのですが、なかなか能登が良くなっていかない姿が気になっていて、自分が戻ることで微力ながら何かできるんじゃないかと思ったのがきっかけとなり、Uターンしました。

能登でやってきて、感じている事は、能登ってすごい!ものすごい原石がごろごろあるということです。それを磨けば、名産品などの可能性が生まれ、これからもっと輝いていけるのではないかと思います。



友田さん:

料理人にタイプってあるの?サッカーでいうドリブラーみたいな。



平田さん:

料理には攻めと守りがあると思います。



黒川さん:

僕の中では、絶対おいしいだろうと思う組み合わせは守り。食べた人にこの組み合わせはどうやって思いついたのだろうと思わせるのが攻めだと思っています。



川嶋さん:

自分の料理スタイルは守るための攻めだと思います。この地域を守るために改革を進め、それって、一歩先を行ってもだめで、半歩先がちょうど良いです。お客様に、食材に、その時代に寄り添ったものに変化させるというスタイルでいます。



友田さん:

僕、思ってたんですけど、フレンチのソースっているんですか?(笑)

 

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黒川さん:

もともとフランス料理は、手を加えておいしくするという文化があります。足し算の料理ですね。能登の食材でも、もっとこうするにはこういうソースにしたらどうだろうとか足し算していって完成する料理です。



川嶋さん:

日本料理で教えてもらったことがあって、それは、華やかだったり高いものだけがおいしいものじゃないといいうことです。なので、素材を活かすということを常々心がけて料理しています。



黒川さん:

農家さんと関わっていて思うのは、本当に野菜がおいしいということです。



川嶋さん:

実際に産地に行って、野菜を作っている姿を見たら、野菜の力ってすごい!って思うんです。別に僕が料理しなくても良いじゃんって。


友田さん:

明珠くん、実は僕、イタリアンだとは思ってないんです、みたいなの聞いたけど。



平田さん:

一応、お客さんに分かりやすいようにイタリアンっていう風に言っているだけで、実際、イタリア人でもないし、イタリア料理を作るなら、イタリア人が作った方がおいしいんじゃないかとか考えちゃいますね。

味覚には、うまみ、塩味、酸味、苦み、甘みがあり、この五角形のバランスをとって、地元の食材を当てはめていく感じでやっています。だから自分の中では、難しい料理を作っている感じはありません。



川嶋さん:

そうですね。料理がおいしいのは当たり前で、その先にあるのが五感であり、それを僕たちは見ています。料理でお客さんを喜ばせるということが、食に関心をもってもらえ、もっと言えば、その背景にいる生産者に目を向けてもらえます。なので、楽しんでもらうと言うことを一番大事にしています。





つまり・・・

料理を通して、生産者や野菜を届けていきたい!という想いを持って、料理と向き合っているということですね。

 

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            これからどうしていきたい?

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黒川さん:

REDで3人が勝ち残ったことでメディアに取り上げてもらえたように、「一致団結」するということが能登を発信していく中で大事なことだと思っていて、料理というものだけにとらわれずに、いろんなジャンルで人と繋がっていくことが出来るから、地域が一体となって何か面白いことをしていきたいなと思っています。地域の人たちとの話している中で、自分たちが貢献できることは何か。人と繋がることで、それが能登の活性化に繋がるのならやっていきたいです。



川嶋さん:

僕も一致団結するというのは大事なことだと思います。

もう一つ力を入れていきたいと思っていることがあって、それは「食育」です。少子化が進む中で、若い子たちにこの町を好きになってもらいたいですね。将来、この町を若いシェフがいっぱいいる町に、そして、能登に修行に来てもらえる町にしたいと思っています。今やりたいと思っている中では、例えば、学生と一緒にレストランをやってみたいです。



平田さん:

僕は、能登で育ったわけではないですが、この町で成長させてもらっています。能登にはおいしい食材がいっぱいあり、新しい料理人の生活の仕方を能登から発信していきたいと思っています。

地方にいた方が確実にレベルの面で成長できるということを実感しています。なので。地方にレストランや料理人がたくさんいるっていう日本になっていくと食は面白くなっていくのだろうなと思います。能登を「新しいライフスタイル」のきっかけ、前例のない町にしたいです。



友田さん:

地方にいた方が料理人のレベルが上がるの?



平田さん:

ある程度のレベルの人が来ることで、地元の食材を使うということは、使える食材のカテゴリーを狭めるということなので、その限られた中で料理するということが今までにない料理を創り出すことが出来、レベルが上がります。



川嶋さん:

僕もそうだと思います。実際僕も外に出た側だし、その方が絶対に料理の幅は広がります。



なるほど~。3人ともやりたいことがそれぞれ違ってるように思えますが、その中核には能登をもっと良くしていきたい!という想いがあり、そのためにはどうしていったら良いのかということを考えているということが分かります。




そろそろ時間が終わりに近づいてきたということで、最後に1人一言ずつ言葉をいただきました。

 

黒川さん:

今回のイベントで終わりではなく、この先、この町全体が一致団結をして発信していくことがすごく大事だと思っているので、このイベントをスタートにしていきたいと思っています。



川嶋さん:

これからも僕は人との繋がりを大切にしていきたいと思っています。この町が大好きだから、もっと盛り上げていきたいです。



平田さん:

僕は成長途中で、地域の人に育てられています。今後も温かく見守っていただければ嬉しいです。

 

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川嶋シェフ、黒川シェフ、平田シェフ、素晴らしいトークをありがとうございました!!

3人の料理に対する想い、そして何よりも食を通して、能登を元気にしていきたいという強い思いが伝わってくるトークイベントだったと思います。笑いあり、熱き想いありであっという間の1時間半でした。

今回のイベントをスタートにして、能登が食の発信の地になっていくだろうと信じているし、能登がもっと盛り上がっていくことを期待しています。

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