科学技術史と科学者論~人類と学問の歴史~(第1回)――古代・中世の自然哲学
御祓川大学では、9月9日(金)に第1回「科学技術史と科学者論」を開催しました。
第一回講義 内容
・科学のはじまり
・自然哲学と科学の変遷
・大学の始まり
講義レポート
「科学のはじまり」を決めるのは非常に難しい問題です。
科学の定義にも諸説あるなかで、
古代文明の時代に、すでに科学が成立していたとする見方があります。
狩猟生活から脱却し、「農耕」が行われるようになったときに、
農耕に適する時期の始まりが知られていたといいます。
そのことから、天文学は最古の学問の一つとされることもあります。
自然哲学と科学の関係では、ヘラクレイトスは万物の根源は「火」であると考えるなど、
自然哲学は「現代の科学」の立場からすると誤っているものも多いとされます。
しかし、自然現象をいかに説明するかという
当時としては、最高峰の知的営みでありました。
プトレマイオス朝期には、「科学」の分野が大きく発展しました。
しかし、医学の分野では、ガレノスが、
人の体には、自然精気、生命精気、精神精気が宿っているとし、
16世紀までその命脈を保ちました。
このように、この時期に自然哲学的側面が完全に排除されたわけではなかったのです。
古代の自然哲学の近代的な科学への転換は、
16世紀頃から本格的に始まり、17世紀にピークに達しました。
これを「科学革命」といいます。
科学革命を経て、徐々に近代科学が社会に受容され、
科学的に議論を行う学会や学術誌などが生まれました。
学会の誕生で科学情報の流通は非常に効率的になりました。
このような「科学」の在り方が社会に保障されることを「科学の制度化」といいます。
大学のはじまりとしては、12世紀に大学が登場したという説が有力です。
初期の大学は、教会の片隅で、学びたい人が
知識人の周りに集まって話を聞くというものでした。
専門的な「科学者」という用語が登場するのは、
19世紀半ばの「第二次科学革命」からですが、
この頃に「大学の教員」という「科学的知識を使って生活をする者」が
現れるようになったと言えます。
第一回の講義は非常にボリュームの多く、内容の濃い講義となりました。
ディスカッションでも、高橋先生のフィードバックももらいながら、
充実した対話の時間になりました。
第二回講義では、「近代科学と戦争と科学者」という内容です!
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