まちづくりは話し合いの連続だ。
こんなまちをつくりたい!言うのは簡単だけど、実現するのは大変。
まちづくりは、一人でやるものではなく、人々が話し合って決めていくことの積み重ねです。
ところが、会合に人が集まらない、一部の人にばかり仕事が集中してしまう、決まったことが実行されない・・・
などなど、まちづくりの現場は悩みに満ちています。
そんな迷走する会合を交通整理し、参加者の力を引き出しながら前に進めていく役割を「ファシリテーター」といいます。
ファシリテーター道場中級編は
まちづくりのワークショップだけでなく、会社の会議でも身に付けておきたい
ファシリテーターの哲学とスキルを理論と実践を通じて学ぶ全10回の連続講座です!
講師は、御祓川大学学長の森山奈美が務めます。
第6回「カードを使った情報整理②」
8月1日に行われた第5回「カードを使った情報整理②」の様子をお伝えしたいと思います。
今回は、前回に引き続きKJ法について学んでいきます。
KJ法の基礎については、前回学びましたが前回いなかったメンバーもいるのでまずは復習から!
復習は、講師からではなく道場仲間から学びます。本道場では、習うばかりではなく教える側も経験できるんです。
知識は、人から聞くだけでなく、人に教えるときに身につくといわれています。
確かに教えることで、自分の中で情報整理ができたように思えました。
復習が終わったら早速実践に入ります。
まずは、今回の話し合いのテーマを決めていきましょう。
テーマ決め
早速、テーマを決めるためのアイデア出しを行いたいところですが
今回は、いきなりアイデア出しをするのではなく、条件設定をしました。
前回の反省点として、アイデア出しの時点で条件がなかったのために
個々の知識量や当事者意識に差が出てしまうテーマが多く出たという点がありました。
そこで今回は、アイデア出しのテクニックを実践を兼ねて学びました。
効果的なアイデア出しのテクニック
①大きなテーマを3つ設定
この時参加者全員が共有できるテーマを設定することが重要です。
今回は、ファシリテーター道場の道場生が共有できるテーマとして以下の3つを設定しました。
・参加型まちづくり
・能登
・ファシリテーション
②3つそれぞれに付箋紙の色を指定
各テーマに色を指定し、その下に何も書いてない付箋紙を置きます。
・参加型まちづくり → ピンク
・能登 → 青
・ファシリテーション → オレンジ
③5分間アイデア出し
大きなテーマに沿って細かいテーマのアイデアを出していきます。
④アイデアのランク付け
模造紙の左から順にランク付けしていきます。
このランク付けはセルフで行います。自分自身やりたいと思うかどうか判断し、貼っていきます。
⑤アイデアに投票しテーマを確定
一人3票ずつ持ち、全体の中からやりたいテーマにシールを貼ります。
3票の使い方は自由で、一つのものに3つ入れることもできるし、バラバラに投票することもできます。
以上の工程を行いテーマが決まりました!!
テーマは「能登にUターン者を増やすためのアイデア」
これだけの工程を通して、納得感の高いテーマ設定ができる。
参加者全員が共有することのできるテーマ設定の仕方は大変だけど重要だと実感しました!
KJ法の実践「能登にUターン者を増やすためのアイデア」
テーマが決まったのでKJ法の実践開始!
今回もファシリテーターは、道場生が担当します。
①アイデアのカードづくり
ここでのポイントは、ルールを決めておくことです。
今回は、5分間でひとり最低5枚書くというルールを設けました。
こういった細かな設定を工夫することで議論がしやすくなるんですね。
今回は、丁寧にテーマ設定をしたこともあってか、すらすらとカードができていきました。
②グループ編成
出てきたアイデアをグループ分けしていきます。
一人ずつ順番に1枚ずつアイデアのカードを出していき
似たアイデアを持っている人は一緒に出していきます。
テーマを絞ってもやはり出てくるアイデアは多様でグループにまとめるのは大変!
③図解
グループ分けをもとに模造紙に全体図を作成していきます。
前回もそうでしたがここが一番難しい!
苦戦しながらも話していくうちに徐々にまとまっていきました。
ここで「何を軸としてまとめるか」が大事。
今回は、最終的にどんな町にしたらUターン者が増えるのかをポイント時間軸で分けて配置しました。
そうして住んでいて楽しい町は、Uターン者が増えるという話になりました。
そこから逆算して分類。すると、大きく出ていく前と後という2つのアプローチがあり
その軸を基準に図解していったことでまとまってきました。
④文章化
図解しただけで満足してはいけません!
ファシリテーターの担当が図解をもとに話し合った内容について説明します。
説明をすることで、話し合い全体を文章化でき、より理解や納得度が増します。
ここまでやったところで今回の実践は終了。やはり何回やっても難しいKJ法。
しかし、やればやるほど理解が深まり、もっとやりたいと思うようになります。
講師からのフィードバック
ここまで道場生のみで話を進めましたが、ここからは講師森山によるフィードバック
今回の反省点として
・タイトルのつけ方が曖昧
・グループごとの関係がわかりにくい
といった部分があげられていました。
しかし今回は、単に赤ペンで修正するのではなく
図解自体を別の紙にもう一度1からまとめ直してもらいました。
まとめ直したものがコチラ
確かにわかりやすい!
タイトルのつけ方や配置の工夫でここまでわかりやすくなるんですね。
KJ法。何度も実践していくことも重要ですが、
こうして上手な人の技を見ることでより理解が深まります。
そして、その技を盗んで実践してみる。
実践と学びの繰り返しによってスキルが身につくということでしょう。
以上、ファシリテーター道場中級編の第6回 講座レポートでした!
次回の講座は、8月15日(月)に「ノミナルグループプロセス」を開催します。
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