こんにちは!インターン生のイブキです。
前回に引き続き第2回オンパクサミットの様子をお届けします!
オンパクサミットの注目コンテンツをご紹介。
注目コンテンツの一つ目は、地域経営のパイオニアたちが集結した3つのセッション。
スピーカーもモデレーターも豪華な顔ぶれで、3つの視点からの『地域経営』について語り合いました。
セッション1『地域商社からの地域経営』
スピーカー:株式会社四万十ドラマ代表取締役 畦地履正氏
(株)四万十ドラマは1994年に高知県四万十町に設立され、四万十川流域の資源を生かしたものづくりから、四万十川流域の地域経営に取り組む地域商社。四万十独自の地域資源を生かした商品開発・販売と同時に生産者の意識育て、事業内容の発信、会員ネットワーク『RIVER』の設立、他地域との交流として山梨県八ヶ岳のNPO法人と『よんぱち同盟』を結ぶなど、手広く取り組んでいます。
モデレーター:株式会社御祓川代表取締役 森山奈美氏
(株)御祓川は1999年に石川県七尾市に設立された、「小さな世界都市七尾」を目指すまちづくり会社。代表的な活動として能登全域でのオンパク「うまみん」・能登の商品を全国に売り出すネット通販「能登スタイル」・長期実践型インターン「能登留学」などを展開。マチ・ミセ・ヒトを育てるという3つの軸に沿って活動しています。「御祓川のほとりから能登へ」「能登から世界へ」を合言葉に新たなステージを目指します。
足元にあるホンモノをお金に変える地域商社
(株)四万十ドラマのテーマは、自分たちの足元にあるモノを生かした、「四万十川に負担をかけないものづくり」。地域の産業・事業者に向き合い、川に優しい農への改革とものづくり(商品開発)を手掛けています。「四万十の栗再生プロジェクト」では、地域の産物として根付く栗の栽培技術向上を図り、現地加工により「しまんと地栗」のブランドを確立。栗の「レクサス」をコンセプトに開発した高級路線の商品「栗山」は京都伊勢丹で1300個を完売。多くのヒット商品を生みだしました。誰かの2番、3番煎じではなく、地域にある「本物」の良さを伝えるために、地域産物の生産から加工・販売まで一貫してプロデュースしています。
多くの失敗作もあったそうですが、足元の素材をデザインの力で「商品」にし続けています。材料で売るのではなく「加工して売る」ことで、地域の中に雇用が生まれ、自分で値段を付けて売ることで、経済循環が生まれる。地域の事業者のための地域商社。オンパクにも通じるところがありそうです。
セッション2『リノベーションまちづくりからの地域経営』
スピーカー:NPO法人atamista代表理事 市来広一郎氏
atamistaは2010年に静岡県熱海市に設立され、「たった一人の行動が社会を変える」という事業理念のもとに「100年後も豊かな暮らしができるまちをつくること」を目的に活動しています。具体的には、オンパク『熱海温泉玉手箱』、『熱海のリノベーションまちづくり』で市街地の遊休不動産を活用する取り組みと同時に、行政と連携してリノベーションまちづくりを推進する人材育成・まちづくり会社育成、熱海市の小山臨界公園の指定管理者としての管理・運営を主な事業として行っています。
モデレーター:NPO法人ORGAN理事長 蒲勇介氏
ORGANは2011年に岐阜県岐阜市に設立され、「岐阜と長良川に愛と誇りを持って暮らす人を増やす」をコンセプトに活動しています。具体的には、「長良川おんぱく」事務局、長良川デパートにおける小売事業、ORGANキモノレンタルサービス、オンパク手法による地域支援事業、長良川流域観光推進協議会各種業務、その他観光まちづくり支援事業と、長良川流域の立地と独自の地域資源を生かして手広く事業を行っています。オンパク手法から地域経営につなげることに成功したモデルケースの一つです。
オンパクで培ったネットワークをリノベーションまちづくりに
atamistaのまちづくりは、まさしく、オンパクで培ったネットワークが基盤です。atamista・オンパクパートナー双方が既存のオンパクネットワークを活用してリノベーションによる新規事業の立ち上げを次々に成功させています。これまでオンパクは「稼げない」事業とされてきましたが、オンパクをやっていたことが地域での信頼感につながり、リスクをとって店舗を運営することで、稼げるようになってきたのです。リスクを取っても店舗を立ち上げる勇気が最終的に補助金からのデトックスにつながり、対価を払うひと=顧客というビジネスの関係が成り立っています。店をひらくということは、オンパクを通して実現したかったことが、毎日起こるということ。いうなれば、オンパクは地域のR&D機能。その研究開発結果を商品やビジネスに昇華させることで、稼ぐまちづくりを進めていきます。
セッション3『インバウンド誘客からの地域経営』
スピーカー:株式会社美ら地球代表取締役 山田拓氏
2007年に岐阜県飛騨市に設立された、「クールな田舎をプロディースする」企業。世界中の人々をターゲットに社会交流人口を増やす事業を通じて、古き良き日本の自然や伝統の継承と持続に貢献するため活動しています。主な事業は国内外の旅人をターゲットとした持続可能な社会のモデル「飛騨の里山」での生活体験プログラム。里山の暮らしに触れることのできる様々なアクティビティーとオーダーメイドツアーを提供すると同時に、社員それぞれの世界各地でのエコツーリズム経験から地域の企業・団体・自治体向けに視察研修・実践型企業研修・コンサルティングもまた提供しています。
モデレーター:IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者
兼ソシオ・マネジメント編集発行人 川北秀人氏
IIHOEは1994年、「地球上のすべての生命にとって、調和的で民主的な発展のために」設立された。自らを「場所を持たずに場を設ける事に特化したNPO」と定義し、自分達の組織を大きくするのではなく、既存の団体・企業・行政の、より調和的・民主的な発展の実現を支援することに重きを置いて活動しています。NPOの運営に関する連続講座、NPO運営専門誌の創刊、事業系NPOのリーダーが分野を超えて学び合う場づくり、自治体の「協働しやすさ」を可視化した世界初の「協働環境調査」で次代の社会づくりに求められる事業を生み続ける一方、「ソシオ・マネジメント」の創刊・「ソシオ・マネジメントスクール」の開校を通し、社会を変えようとする者へ組織運営を超えて社会を運営する視点を与え続けています。
やるべきことをひたすらシンプルにやり続ける
美ら地球は日本のクールな田舎に価値を見出し、飛騨の里山を世界の”SATOYAMA”として売り出すことに成功。やるべきことをシンプルに、ターゲットを明確に、現地販売とネット販売の両方からアプローチした結果、tripadvisorでは顧客満足度ダントツ日本一。山田氏曰く、秘訣はターゲットに合致するお客様に商品を提供することだそう。つまり、喜んでもらえそうにない人には来てもらわない。そのためのターゲット「国内外の旅人」はシンプルでぶれることがありません。現在、顧客の70%は外国人です。もちろん、この外国人もどこの国のどんな志向をもった人なのか、きちんと分析。もっと海外のツーリズムに学ぶこと、企業経営の考え方を地域経営に活かすことで持続可能な地域をつくることができます。飛騨の里山という地域資源を借りる経営の中でまず「旅人・地域企業・住民・若者のhappy」を高め、その上で観光産業の底上げを目指します。モデレーターの川北さんからは、自律的・継続的な経営のためのRMO法人(地域自治組織)について紹介されました。
ダイアログ2・3 あなたの地域に取り入れたいことは?
3つのセッションを終えて、さらに参加者同士での対話を深めました。
参加者が自身の活動に生かしたいことは何でしょう?
参加者からは、こんな意見が出ていました。
「成功例をきくことで、次にやるべきことが見えてきました。」
「とても素晴らしい事例で勉強になった。こういう取り組みが行われていることを地域に共有したい。」
「目から鱗が落ちまくった!やりたいことのイメージが大きく膨らんだ。学びがいっぱいあった。」
地域経営の最前線を走る方々のお話は参加者にとって大事なお土産となったようです!
各方面の地域経営のパイオニアたちの体験談いかがでしたか?
次回は参加者の皆さんに特に大好評だった公開仮想理事会(VBM)の様子をお届けします〜!(つづく…..)
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