2月27日(水)は
『能登留学から世界へ~ただいま七尾!ふたりの海外留学記~』
のイベントが御祓川大学メインキャンパスbancoで開催されました。
全国から来た学生が、能登に住み込みながら、様々なプロジェクトに挑戦し、自分らしいキャリアをデザインしていくプログラムである「能登留学」。これまで170人以上の大学生が能登留学に参加してきました。
そんな中、ある2人の大学生は「能登留学」を経たのち、次に選んだのは「海外留学」でした!
それぞれ違う分野で海外で貴重な経験を積み、無事帰国したお二人は、
「能登でお世話になった方々に、この経験を話したい!伝えたい!能登で頑張る方々に少しでもエネルギーを送りたい!」という熱い思いと、大好きな七尾で感謝を伝えたいとい思いから報告会イベントを開いてくださいました。
とても刺激が多く自分でも考えさせられる素敵なイベントのだったのでその様子をお伝えします!
登壇者は
大学4年目に休学をし、能登留学で”御祓川大学”の運営に携わり、自らプレイヤーとなって「まちづくり」を経験したのち、デンマークへ留学した「さやねぇ」こと矢巻紗耶さん
大学を3年次に休学して、能登留学で”株式会社御祓川”でインターン生としてやってくる大学生が七尾の企業や地域に与える効果について調査し、その後アイルランドへ留学した「まりし」こと石榑まりさん
のお二人です!
そして、過去に世界2周(約50か国)を旅した経験を持っており、七尾市高階地区で地域おこし協力隊をされている任田和真さんがイベントのMCとして楽しく進行してくださいました。
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任田さん:2人はどこに留学にいったんですか?
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さやねぇ:
私はデンマークのコペンハーゲンに4か月行ってきました!
まりし:
私はアイルランドの首都ダブリンに4か月行ってきました!
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任田さん:【なぜ留学にしようと思ったんですか?】
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さやねぇ:
私は、もともと市民教育(まちをつくるヒトをどう教育するか)ということに興味があり、それを実践しているデンマークの「フォルケ・ホイスコーレ」という市民教育機関にいき、自分事としてマチのことを考える人を育てたいと思い留学を決めました。
まずフォルケ・ホイスコーレとはどんなところかを説明すると、
・市民として社会問題をどう考えるかを生活のベースにしている
・グローバルな問題を考えて身の回りで出来ることにつなげていく教育をしている
・全寮制で民主主義的思考を育てる場
・政府から独立した自由な教育機関(試験なし、成績なし)である→個人の特性を最大限に伸び伸びと学ぶことができ、小さな成功体験から学生に自信を与え、行動力につなげられるような教育をしている
そんな素敵な場所なんです!
めっちゃ良いやんと思ってここに留学しました!
任田さん:
フォルケホイスコーレすごいですね。ちなみにフォルケホイスコーレというのは教育の名前?
さやねぇ:
中学、高校、大学、みたいな教育のカテゴリーのような感じですね。中高大の上にある17歳以上だったら誰でも行ける学校です。
任田さん:
なるほど~!おもしろいですね。それを学びにデンマークに行ったんですね。
まりしはなんで留学しようと思ったの?
まりし:
私は、もともと高校生の頃から留学に興味があって、大学に入って交換留学制度というものを知り、その制度を使って「組織における心理学」例えばリーダーシップであたりとか、モチベーションの管理の仕方などという分野の学びをもっと深めたいという思いからアイルランド留学を決めました。
もう一つの理由としては、大学のサークルでバイオリンを弾いていたこともあってクラシック音楽はな馴染みがあり知っていたんですが、クラシック音楽とはまだ別の民族音楽にも実際に触れてみたいなと思い、音楽文化も盛んなアイルランドに行きたいと思い留学を決めました!
まりし:
これは音楽をやっている様子で、右上の写真は、ピアノを外で組み立てて多くのお客さんに披露している様子ですね。アイルランドはストリートで音楽を演奏している人が多いんです。
左下の写真は、アイルランドの民族楽器である”アイリッシュブズーキー”というギターに似ている楽器を弾いたりもしました。
任田さん:
まりしは組織心理学と音楽を学びに行ったんですね。
まりし:
はい、そうなんです。けど、実はもう一つ裏の目的がありまして、「自分の価値観を白紙(ゼロ)にしたい」という思いもあったんですよね。とらわれている価値観を一回リセットしたかったんです。
任田さん:
なるほど。なんか「価値観を白紙」という表現がまりしらしくていいですね。
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任田さん:では、【実際に留学で何をしたんですか?】
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さやねぇ:
デンマークのホイスコーレで、勉強を教えない自由に伸び伸び学ぶことができる教育を受けてきました。
私は、SDGs(持続可能な開発目標)というものに沿って社会問題を色んな角度から見る、という授業を取っていました。また、選択科目としてとった授業で、「紙に1秒で絵を描け」という自分の感覚を大事にするという面白い美術の授業も取りました。
私は美術の授業を取りましたが、その他にもラジオ番組を作る授業、魔女と女性差別を組み合わせて考える授業、ポエムの授業などもあります。
任田さん:一般的な大学で学ぶ授業とは全く違うことを学べるんですね。
さやねぇ:
そうなんです。昼休みなどは、みんなでスポーツをしたり海にいったりお話ししたり・・・本当に自由ですね(笑)寮では毎週土曜にパーティーでお祭り騒ぎで楽しかったです。
任田さん:
なかなか日本では経験できないようなことを体験していますね。楽しそうです。
まりしは何をしたの?
まりし:
留学期間中に組織心理学を学び、現地の民族音楽に触れながら自分のブログも始めました。
ブログでは、アイルランドの情報や、自分が留学していて思ったことをまとめたり、アイルランドで何かやっている日本人の方にインタビューをした記事を載せたりしていましたね。
それに、アイルランドはパブがたくさんあるので、そこでアイリッシュ音楽セッション楽しんだりもしました。休みの日などは民族楽器”アイリッシュブズーキー”を野原で弾いたりして、そこに話しかけに来てくれたおじいちゃんと話したりもしました。
任田さん:
学校に通いながら、暇な時間は楽器を弾きながら、パブにいったり音楽を楽しんで毎日を過ごしていたんですね。めっちゃ楽しそうですね。
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任田さん:【留学中の忘れられない思い出をひとつ聞かせてください!】
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さやねぇ:
私は、選択科目を発表する会でのダンス発表がものすごく楽しかったです!
私たちは、ミュージカル映画の曲を踊ったんですが、本物の演出に似せるため、クラスメイトの男の子がお父さんにバイクを借りて、本番バイクでステージに登場するところまで再現したんです。
日本では、そこまでやるの?とかそんなことやっていいの?と思われるようなことでも全身全霊で楽しむ経験が出来ました。終わった後の達成感は計り知れないものでした。
まりし:
私は、インタビューをする中の人との出会いですかね。お会いした人の中でも一番印象に残っているのが、ワーキングホリデーでアイルランドに来ている日本の方です。彼女はストレスで髪の毛が抜けてしまいいつも帽子をかぶっており、日本にいるときの感覚で外国でも帽子を外せずにいましたが、私と話をして仲良くなっていくなかで、帽子を被らず初めて外を歩く瞬間に立ち会わせていただくことも出来たんです。彼女は本当に清々しいと言っていて、いい思い出になりました。
この方以外にお会いした日本人の方も自由度が高くてとても面白い方ばかりでした。
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任田さん:【今だから言える留学中の失敗談やぶっちゃけ話とかありますか?】
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さやねぇ:
もっといろんな方に会ってライフストーリーインタビューをしたらよかったなぁと少し後悔していますね。普段の会話の中で話すことはあったんですが、記録に残したりできたのになって。
まりし:
アイルランド到着3日で暇すぎてヒッチハイクを初めてしたんですけど、永遠に車がつかまらず
1時間半寒さに耐えて結局家に帰るっていう(笑)
任田さん:
ヒッチハイクには守りのヒッチハイクと攻めのヒッチハイクがあるんですよね。
人自身に直接アタックしてココに行きたいです!っていう攻めの方だとつかまりやすいよ。
まりし:
じゃあ、次はそうします!
任田さん:
留学を8か月のところ4か月で帰ってきたという事ですがそれはどうして?
まりし:
誰かと一緒に何かしたくなったんです。新しい価値観にも出会えゼロに戻ったと感じたし留学自体にもう満足してこれ以上ここにいてもワクワクしないなと思ったので帰ろうと決めました。
任田さん:
なるほど。辛いとかネガティブな理由ではなくポジティブな理由で驚きました。満足したんですね。
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任田さん:【海外留学を通して学んだことは何ですか?】
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さやねぇ:
3つあるのですが、1つ目は本当の民主主義の実態です。多数決で決めるんじゃなくて、全員が納得する方法って何だろうと考えて時間をかけて歩み寄っていくことが本当の民主主義だと感じたんですよね。2つ目は表現の多様性さと巻き込み力ですね。デンマークの人はデモなどを周りの人を楽しく巻き込んで自由に表現していていました。3つ目は自分には何かを変える力があると思えたことです。周りで自分の意見に賛同してくれる環境で、自分にも何か社会を変える力があるんだなと実感したんです。
まりし:
一言でいうと、色んな生き方があっていいなということを学びました。
日本人も留学生の友達も、アイリッシュの友達もそうですが、みんな価値観も違います。特にワーキングホリデーで来ている人たちは、未来のことをあまり計画していないが今の自分の状態が幸せで満足しているという人が沢山いて、そういう生き方って素敵だなと思ったし、新しい価値観に触れることが出来ました。
いろんな生き方、人生があっていいんだと身をもって知りました。
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任田さん:【今回の留学を一言で表すと?】
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さやねぇ:
私は、「自分が社会のために出来ることってなんだろう」を考えた留学です。
その一歩として七尾で自分の学んだことを自分だけじゃなくて、お世話になった方々に伝えることも自分の出来ることなので今日お話しできてよかったです。
任田さん:
素晴らしいですね。自分は社会を変える力があると気づき、これから行動を起こしていくという事ですね。まりしは?
まりし:
私は、「自分にとっての幸せって何だろう」を考える留学でしたね。
色んな人と会う中でそれぞれ価値観が違うから、自分はどういう時に幸せだと感じるかなということを見つめ直すきっかけになりました。
任田さん:
そうですね。お金がなくても幸せだとか、いろんな観点から幸せの考えられますもんね。
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任田さん:
【最後に、海外留学を終えてこれからしたいこと、する予定のことは何かありますか?】
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さやねぇ:
長期的なプランなんですけど、日本版フォルケホイスコーレをつくりたいです!
フォルケホイスコーレのそのままを作ることは出来ないかもしれないけど、日本に合った形で地域に合った形で、廃校や豊かな自然を活用して、伸び伸びと自分らしさを見つけられる場を作りたいなって思っています。
まりし:
私は今コーチングを勉強しています!コーチングは、もともと健康な人ゼロの人を更にプラスにするためにするものです。今、東京でコーチングを習っていて、高校生と大学生に対して1時間ずつ100人にコーチングする企画「100時間無料コーチング」をやっています。
人間関係の相談もそうですし、就活に向けて自分の価値観などを深掘りしたい、やりたいことが多すぎるから頭の中を整理してください、など色んな方かいます。まだまだ予約募集中なので是非お願いします!
さやねぇさん、まりしさん、任田さん、素晴らしいイベントをどうもありがとうございました!!終始、お三方のおかげで、会場全体が温かい雰囲気の中で楽しく聞くことが出来ました。
海外で様々な経験をした先で見つけた、自分の「目標」や「幸せ」を自分だけの経験にせず、大好きな七尾の地に戻ってきて地元の方に共有してくださる貴重なひと時を過ごさせていただくことが出来ました。
私自身も、お二人のお話を聞いて自由って何だろう、自分らしさって何だろう、と自分に問いかけながら深く考えさせられる、よい機会となりました。自分の予想も出来ないような価値観や考え方、生き方が溢れている世界ってどんな感じなのだろう、と海外に対してワクワクが止まりません。
「能登留学」そして「海外留学」を経験し、現在も挑戦し続ける矢巻紗耶さん、石榑まりさんにこれからも注目です!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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